研究概要 |
平成16年度の目的は資料整理と先行研究、および実地調査を行った. (1)資料収集と先行研究として(1)実際の退院援助に関わっているソーシャルワーク実践の現状把握のための調査と資料の整理,(2)日本で使用している退院援助アセスメントシートの収集および概念整理,(3)諸外国の保健医療機関において退院援助アセスメントシートの収集および実態把握を目的として,退院援助の概念整理及び地域システムに関する理論的研究と先行的研究として,資料収集を行った. (2)実地調査は(1)退院援助におけるアセスメントの視点に関する調査を行った.実際に社会福祉の専門家が退院援助を行なう際に何を評価しているのか,退院援助の評価の視点を明らかにするために,今回は関東域に限定して医療現場での退院援助を行なっているソーシャルワーカーに対してインタビュー調査を行った. 調査を行った医療機関は急性期,一般病院,回復期リハ,高齢者療養病院と医療機関システムを網羅できるように東京医科歯科大学,東京女子医科大学,初台リハビリテーション病院,昭和大学藤が丘リハビリテーション病院,NTT関東病院,河北総合病院,石心会狭山病院,横浜旭中央病院の8ヶ所に今年度は限定した.その調査ではそれぞれのソーシャルワーカーに事例を提示してもらい、その事例について、1ケースあたり約1時間半の面接を行い,具体的に援助者の価値観・倫理観,視点,知識,技術,クライエントの状況把握,援助目的を明確するための半構造的面接を行った.さらに全インタビュー内容を逐語録にして,分析を行うための準備を行った. 平成17年度にそのインタビュー内容を退院援助に関する具体的な面接場面の質問内容,観察,分析,行為に分類し,質的分析,および専門家としての援助者の視点,知識,技術,価値観・倫理観,クライエントの状況把握,援助目的などを分析する.さらに諸要素を抽出及び社会福祉専門家の退院援助査定項目の把握する予定である.
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