研究概要 |
今年度の研究では特に退院支援のスクリーニングリストをまとめ、実際に活用しその効果を提示した。これにより、院内のチームアプローチの方法を模索し、開発したスクリーニングチェックリストを活用することにより、早期に退院支援が必要な患者の早期発見、早期介入が可能となった。その後にアンケート調査を行ったが、早期介入ができるようになったとの結果が得られた。また、このスクリーニングチェックリストの開発だけではなく、実際にはその後のソーシャルワーカーの援助介入が必要であり、その点に関しては専門家としての価値・倫理として、自己決定が尊重されていた。さらに、技術・知識については具体的には患者本人のADLはもとより,対処能力,問題解決能力,生活意欲などを捉えること、さらに家族の介護力,介護意欲,フォーマル・インフォーマルサポートの活用意欲,家族の疾病理解,家族の凝集性などをプラスの側面でアセスメントし,患者・家族の行動を維持強化するための退院援助の計画を立案し,支援する視点も退院援助では重要であることが証明された。また、それらを捉え、援助につなげる理論を活用することによってより効果的支援が構築されることが明らかになった。 今後の展望と課題として、昨今の法改正では,医療機関は治療終了後に安定した療養生活の継続を地域の医療保健福祉の諸機関と協働で取り組むことが必須となってきた.そのために院内でどのように退院援助を取り組むのかが課題である.退院援助に対する医師の理解や協力,院内でどのように退院援助システムを浸透させ,軌道に乗せるか,さらに地域と協力関係を構築し,よりよい連携を図る方法を模索し,今後さらに,患者自らが自分らしい生活を選択できる退院援助を考えていく必要がある.
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