「限界集落というのは、量的には65歳以上の人口が集落の半数を超えている集落」でる。集落は自治的共同的な自律的社会集団という側面と同時に、集落間の共同や地区・町村自治体・県の協力や支援という集落外の社会関係で支えられている。限界集落においてはこの2つの側面が今後の集落再編や自律的発展にかかわる重要視点となる。本研究は、集落住民の生活実態調査を通して、集落内部からの自律的発展、再編の大きな流れの中で集落形態維持に必要な要素を探り、住民の福祉的生活を確保するための方策を検討提案する。平成19年度は島根県浜田市金城町美又地区の2限界集落33世帯において全戸対象の生活調査を実施した。 (1)調査協力員説明会の開催 7月26日 (2)対象集落の全世帯へ調査への協力依頼文の配布 8月上旬 (3)調査の実施 8月27〜28日 (4)調査対象集落と世帯数 美又地区2集落 世帯数33世帯 高齢者43名高齢化率53.7%植松集落 18世帯 住民合計47名 高齢者25名 高齢化率 53.19%新原集落 15世帯 住民合計33名 高齢者18名 高齢化率 54.55%(5)福祉懇談会 集落住民を対象に開催 8月28日午後7時〜9時 美又会館にて(6)調査報告会 集落住民を対象に開催 2009年3月20日午後3時〜6時 美又会館にて 以上の調査結果を分析を行い次のような知見を得た。 過疎地域における今後の集落対策のあり方として(1)集落の荒廃や消滅に対する対応策の検討(2)集落の実態や現状に即した社会的サービスの提供(3)住民発意による集落活性化への取り組み支援(4)限界集落住民が取り組んでいる先進事例を再評価し維持する方策の検討などを早急に行うことである。
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