研究課題
基盤研究(C)
研究の目的は認知情報処理過程全体を評価することのできる包括的な神経心理学的検査の開発とそれに基づく発達障害児への発達支援プログラムの作成とその実践にある。開発する神経心理学的検査は、(1)注意に関する検査、(2)同時処理・継次処理に関する検査、(3)プランニングに関する検査、の3つの下位検査より構成される。本研究ではこれまでに作成された検査バッテリーをさらに充実し、より洗練されたものにすることが目的である。具体的な目的は、(1)プランニングの検査について前頭葉の中核的機能である「実行機能」の観点から見直し、その内容をさらに充実したものにすること、(2)これまでに作成した神経心理学的検査は脳の3つのブロック(第1・第2・第3ブロック)の働きと関連づけて作成されているが、それらの関連性についてはなお検討の余地があること、(3)これまでに作成された神経心理学的検査は主に学童を対象としたものであるため、さらに低年齢にも適用できるような検査バッテリーを検討すること、(4)発達支援の方策(プログラム)について検討すること、の4点である。(1)についてはWilsonら(1996)によって成人用に開発された「遂行機能障害症候群の行動評価法(BADS)」を学齢児や発達障害児に適用できるように9歳〜14歳の健常学齢児童において標準化した。(2)では近赤外線トポグラフィー(NIRS)を用いて、成人被験者を対象に「ウィスコンシンカード分類テスト」と「レーヴン色彩マトリックステスト」について、前頭部及び頭頂-後頭部の脳血流動態を検討した。(3)ではウィスコンシンカード分類テストの幼児版ともいえるカード分類課題を用いて健常幼児と自閉症児の実行機能を検討した。(4)では自閉的傾向をもつ知的障害児について支援プログラムを作成し、その効果を検討した。
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埼玉大学紀要教育学部(教育科学) 56・1
ページ: 109-118
Journal of Saitama University (Faculty of Education) Science of Education Vol.56, No.1
埼玉大学紀要教育学部(教育科学) 54・1
ページ: 143-154
Journal of Saitama University (Faculty of Education) Science of Education Vol.54, No.1
埼玉大学教育学部附属教育実践センター紀要 第3号
ページ: 131-138
Journal of Integrated Center for Clinical and Educational Practice No.3
埼玉大学紀要教育学部(教育科学) (印刷中)
Journal of Saitama University (Faculty of Education) Science of Education (in press)