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2004 年度 実績報告書

日本語の特異的言語発達障害の特微および評価法に関する言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530420
研究機関東京学芸大学

研究代表者

伊藤 友彦  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (40159893)

研究分担者 大伴 潔  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30213789)
藤野 博  東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (00248270)
福田 真二  北海道医療大学, 心理科学部, 助教授 (70347780)
キーワード特異的言語発達障害(SLI) / 縦断研究 / 日本語 / 文の誤り / 時制 / 受動文 / 補助ストラテジー / 言語障害
研究概要

平成16年度は、日本語SLIと思われる1例に対する縦断研究を開始するとともに、これまでの成果を第49回日本音声言語医学会総会・学術講演会において発表した。その概要は以下のとおりである。対象児は小学4年生一例であった。自然発話では過去時制にすべきところを現在時制にする誤りが観察された。受動文については、与えられた文の意味を線画で表現する課題を1カ月ごとに計7回実施した。その結果、5回目までは、(a)毎回正答の動詞、(b)毎回誤答の動詞、(c)成績が変動する動詞、の3パターンがみられたが、6回目に、最初の名詞の意味役割が対象(patient)で、2番目の名詞の意味役割が動作主(agent)であることを対象児が自ら指摘して以降、動詞すべてに正答した。さらに、逆語順の受動文では、正常語順にするために名詞の部分に自ら矢印を書き込み、こことここを取り替えればいいと指摘し、正解に至った。本研究によって、日本語SLIの典型例とみられる対象児には、時制に特徴的な誤りが観察され、さらに受動文においては文法的な困難さを独自の補助ストラテジーを用いて補う行動が観察されることが明らかになった。
また、今年度は、アリゾナ州立大学のDavid Ingram教授のもとを訪れ、英語SLIを中心とする、米国における言語発達・言語障害研究に関する情報収集と、評価および指導の実態調査を行った。また、Ingram教授とは、言語発達研究の方法論を中心に、言語障害に対する言語学的ないし心理言語学的アプローチについて意見交換を行った。Ingram教授の紹介により、Shelley Gray教授からは、本人のSLI研究とともに米国におけるSLI研究についての情報収集を行った。さらに、アリゾナ州立大学における言語発達障害に対する臨床活動場面を観察した。なお、マッギル大学においてもSLIに関する情報収集を行った。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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