本年度は、2002年2月に実施の全国調査データの継続分析および2005年2月実施の調査データの整理、コンピューター入力を行った。特に、2005年2月に実施した第11回全国初潮調査における沖縄県の資料を先行分析した。調査協力者は、無作為抽出され回収された小学校30校、中学校18校、計48校の小学校4年生から中学校3年生の女子児童・生徒1680人である。郵送による無記名調査で、内容は初潮の有無および来潮の時期と付加的な質問であった。沖縄県においても、1968年に全県的な調査が、1967年の全国の調査より1年遅れて実施され、1972年(第4回調査)からは全国同時に実施されてきた。これまでの結果から、沖縄県における平均初潮年齢は他の都道府県よりも早い傾向が見られ、青森・秋田県などとともに、早熟傾向が見られる代表的な県である。なお、沖縄県は平均寿命の長さや一人あたりの出生数の多さでも知られ、女性の発達という意味で興味深い地域である。本調査における沖縄県の学年別既潮率の数値をもとにプロビット法により計算した平均初潮年齢(既潮率50%推定年齢)は、12歳0.2ヵ月で、95%信頼限界は11歳9.0ヵ月から12歳3.3ヵ月であった。標準偏差は1歳4.9ヵ月であり、この3年間で約1ヵ月遅くなり、10年ぶりに12歳代まで後退したことになる。しかし、従来からの沖縄県の特徴である小学生の既潮率は高水準である。むしろ中学生の既潮率の低下が顕著である。なお、本調査における中学校1年生から3年生は、前回の2002年2月に実施した第10回調査の小学校4年生から6年生に該当する。同一年齢コホートである前回の小学校4年生(11.5%)から、今回の中学校1年生(80.6%)の既潮率の上昇度が低かったことになる。
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