研究概要 |
食の問題行動を代表するものとして「偏食」をとりあげた。新聞データーベースより「偏食」をとりあげた記事を抽出し,それらを予備項目とする心理尺度を構成した。すなわち一般的に「偏食」がどのような意味で用いられているかについて,その意味的世界を経験的実証的データにもとづき検討した。その結果を,論文「食の問題行動に関する臨床発達心理研究(1)-偏食の経験的定義-」において公開した。また,食物好悪と食物摂取頻度さらに摂取動機の関連を検討し,その結果を,論文「居住環境の違いが食物の好みとその摂取頻度および食物選択動機へ与える効果」において公開した。偏食については,上述した研究の発展として,偏食測定の為の心理尺度を構成し,200名を超える学生を対象にデータを収集し,その分析をすすめつつある。偏食のなかでも「好き嫌い」が健康障害と関連がつよいことを示唆する結果が得られている。これらについては次年度に論文として公開する予定である。幼児を対象とした偏食行動の研究,自己身体心像の歪みと食の問題行動との関連性については,当初予定していた研究実績には達していない。現在,共同研究者らと連絡をとりあい,次年度(研究最終年度)早々にも研究実績をあげるべく準備中である。また本研究の発展を意図し,食の問題行動への対処(食教育)という観点から計画している東アジア諸都市間の比較については,ソウルでの比較研究の拠点つくりをおこなっている。次年度に向けて,研究実績をあげるべくその準備をすすめている。
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