研究概要 |
1、偏食尺度の標準化および偏食の心理的特性について大学生を対象にデータ収集をおこない,論文として公刊した。偏食尺度は15項目で構成され4つの下位尺度をもつものとして標準化した。標準化に際してその基準関連妥当性を検討する為に,42品目にわたる日常の食物・料理の好悪,摂取頻度との関連性を検討した。さらに,主観的に評定される心身の健康の程度,食物新奇性恐怖傾向,特徴的食行動(日本語版DEBQ),パーソナリティ(NEO PI-R)との関連性を検討した。2、「不健全」とみなされがちな「奇妙な」食嗜好がどの程度社会文化変数(地域変数)の影響を受けるものかについて,札幌,東京,名古屋,神戸,広島の5都市で,食物新奇性恐怖傾向と食物新奇性恐怖傾向を大学生を対象に測定した。比較的に地域に伝統的な食文化の影響をうけていないと想定される大学生層においても,地域変数が食嗜好に及ぼす影響が大きいことが示された。一方で,食物新奇性恐怖傾向が「奇妙な」食嗜好に及ぼす影響については,地域変数の影響があまり及ばないことが示された。研究成果を論文として公刊した。3、青年期女子に特徴的な痩身願望について,身体体型の歪み指標を開発し,それと痩身願望,体型不満尺度との関連性について検討した。研究成果を論文として公刊した。4、幼児を対象とした食の問題行動の測定については,データ収集の段階において幾度かの中断を余儀なくされた。従来からの研究経験と比較して,養育者(主に母親)の問題,保育園等の介入・関与の問題,さらに研究倫理上の問題等がより大きなものとして立ちはだかった。早急なデータ収集を断念し,研究体制をより強固なものとして,データー収集を再開している。研究成果はまだ論文として公刊されていない。
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