研究概要 |
終末期のがん患者に対する回想法(なかでもライフレビュー)が,患者のスピリチュアルケアになるかを実証的に調べ,カウンセリング研究誌上で発表した。さらに,終末期のみならず,慢性期のがん患者に対しても効果があるかを,抑うつ感と自尊感情を指標として,対照群を設定して調査した結果を,Psychological Reportにおいて発表した。また,これら終末期と慢性期の患者の「語り」のテーマを質的に分析し,回想法を実施するためのテーマとプログラムに関する研究を「がん看護」において誌上発表した。合わせて,臨床現場で活用されるために,「臨床心理学」において,「終末期がん患者の痛み」を特集号において発表した。 学会では,昨年度,英国認知行動療法学会において(於:カンタベリー),回想法関連の研究を発表した。また,健康心理学会において,学会企画シンポジウムにおいて,医療への貢献というテーマのなかでも,患者のこころのケアという分野から発表し,さらに会員企画シンポジウムではスピリチュアリティを主眼としたケアに関するシンポジウムを企画して話題を提供した。 現在,健康心理学研究の誌上において,「終末期がん患者への回想法に基づいた認知行動療法」が印刷中であり,この研究に関連した実証的な研究を,英国認知行動療法学会員のGeorge Fiedlman氏他と共同研究中である。
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