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2004 年度 実績報告書

青少年の希死念慮、自殺企図に関する心理社会的・精神医学的諸要因の包括的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530446
研究機関名古屋大学

研究代表者

村瀬 聡美  名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 助教授 (30335020)

研究分担者 本城 秀次  名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
金子 一史  名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 助手 (80345876)
橋本 大彦  名古屋大学, 医学部附属病院, 助教授 (90292911)
野邑 健二  名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (50345899)
村上 隆  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70093078)
キーワード児童青年 / 自殺 / 希死念慮 / 自殺企図 / うつ病 / 不安 / 解離 / 家族機能
研究概要

青少年の自殺および自殺企図の問題はメンタルヘルスにおける最重要テーマであるが、現在までのところわが国独自の研究の蓄積はほとんど認められない。そこで、我々は名古屋大学医学部付属病院にて情緒障害と診断された児童青年とその親を対象として、児童青年の希死念慮、自殺企図に焦点づけて構造化面接、質問紙調査を実施した。
平成16年12月の時点で、30組の親子が本研究に参加した。途中経過として、今回は、特に12歳以上の青年に関する分析結果を記す。12歳以上の青年のうち、希死念慮・自殺企図を有していたものは8名(男子3名、女子5名)、希死念慮・自殺企図が全く無かった者は4名(女子4名)であった。希死念慮、自殺企図を有する群は、うつ病、統合失調症、PTSDと診断されており、抑うつ、不安、解離の尺度得点も、希死念慮、自殺企図の無い群と比較した場合、有意に高値であり、情緒応答性、意思疎通などの家族機能も落ちていることが判明した。
従来の諸外国における報告と同様、希死念慮、自殺企図を訴える群では、うつ病と診断される者が多く、それを裏付けるように抑うつ得点の平均値は、臨床的に問題となるカットオフ値を超えていた。されに、家庭内での出来事に関するトラウマを訴え、PTSDの診断を満たした者が2名いたことは特筆に価する。家族機能の尺度得点からもわかるように、希死念慮、自殺企図を訴える群では、家族内の意思疎通、情緒応答性が落ちていることが判明した。これらの結果から、患児の精神疾患に対する治療のみならず、家族に対する治療的な働きかけが重要であることが示唆された。本研究は、現在遂行中であり、今回、十分な結論を述べることは不可能だったが、今後例数を集め、さらに親のデータと照合することで児童青年の自殺企図および諸要因に関する実証的な検討が可能になると考えられる。

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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