• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

児童生徒の対人攻撃行動における認知・自我構造の把握と対人適応促進技法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16530458
研究機関順天堂大学

研究代表者

田中 純夫  順天堂大学, スポーツ健康科学部, 助教授 (90286170)

キーワード対人攻撃行動・攻撃性 / 認知的共感性 / 発達障害 / 自尊感情 / 逸脱行動 / ストレスマネジメント / ピアサポート / 適応支援
研究概要

学校教育場面で起こる児童生徒の対人攻撃行動における対人認知の特徴やそれまでの経験的側面等の関連要因から問題が生起するプロセスを解明し、効果的な介入点を見いだすことを目的とした。
調査内容は、○児童生徒の攻撃性を測定する尺度の短縮版(大渕(1999)のFAS : Functional Aggression Scaleの中学生版を作成)および反応的攻撃性(濱口2004)を改良することによって尺度を作成した。またこれを裏付ける経験的側面として○学校適応行動○対人トラブル○生活習慣を調べ、さらに関連要因として、認知的側面では○認知的共感性(perspective taking)尺度○認知の広がり等を取り上げ、感情的側面として○自尊感情○孤独感を調査した。調査期間は18年2〜4月であった。
結果の概要は以下のとおりである。
(1)中学生におけるキレる行動を説明する上では反応的攻撃性尺度(「怒り」「報復意図」の2因子構造)が有用である。
(2)認知的共感性の「他者視点取得」因子が、特に反応性攻撃性と負に相関しており、認知の幅広さとともに、キレる衝動的行動には抑制的に働くことが示唆された。
(3)自尊感情は、反応的攻撃性のなかでも「怒り」の感情を抑制する効果を持っており、逆に孤独感は「怒り」を増幅する方向に働いている。
(4)反応的攻撃性とネガティブな学校経験や生活習慣の乱れ等との関連も認められ、学校における指導上において、対人スキルのトレーニングや食習慣・睡眠についての介入点も明らかになってきている。
さらに実践研究として、小中学生の多動傾向の児童に対する、適応支援プログラムを特別支援教育に絡めて実践している。別室登校の動傾向の児童生徒に数人の大学生を動員し、プレイセラピーや運動を用いたストレスマネジメントの効果を整理しているところである。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 中学生の攻撃性と学校適応との関連2006

    • 著者名/発表者名
      田中純夫, 他5名
    • 雑誌名

      順天堂大学スポーツ建康科学研究 第10号

      ページ: 50-58

  • [雑誌論文] 中学生における攻撃性の変要因と学校適応I II III2006

    • 著者名/発表者名
      田中純夫, 他2名
    • 雑誌名

      犯罪心理学研究第44巻特別号 第44巻特別

      ページ: 116-121

  • [雑誌論文] 中学生における反応的攻撃性に関連する要因I II III2006

    • 著者名/発表者名
      田中純夫, 他5名
    • 雑誌名

      日本教育心理学会第48回総会発表論文集 第488回

      ページ: 660-662

  • [雑誌論文] 中学生の身体認識と反応的攻撃性および逸脱行動との関連2006

    • 著者名/発表者名
      田中純夫, 他5名
    • 雑誌名

      日本スポーツ心理学会第33回大会研究発表抄録集 第33回

      ページ: 190-191

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi