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2005 年度 実績報告書

虐待の疑いのある子どもに対する面接技法の開発-被誘導性対策の中心として-

研究課題

研究課題/領域番号 16530460
研究機関東京家政大学

研究代表者

越智 啓太  東京家政大学, 文学部, 助教授 (40338843)

キーワード目撃証言 / 子供の証言 / 日常記憶 / 誘導 / インタビュー / 虐待 / 性犯罪 / 犯罪捜査
研究概要

虐待や子供を対象とした事件の被害者や目撃者である子供に対して、どのようにインタビューをしていけば、適切な情報を聴取することができるかについて検討を行っている。本年度は、実験的な検討を行った。被験者(実験協力者)は保育園児136名、彼らに、「こぎつねコンチ」という紙芝居を見せた後で、その内容についての質問を行った。質問は、10問であるが、そのうち5問は誘導質問になっている。例えば、「コンチのおとうさんは会社に行っていたよね」という質問が誘導質問の例であるが、実際にはこの物語にはコンチの父親は登場していないので、この質問には答えることが出来ないはずである。しかし、実際には多くの子供たちが「うん」とか「そうだよ」という迎合的な肯定的な回答をしてしまう傾向がある。そこで、インタビューに先立って、一問誘導質問を行い、こどもが誤った解答をしたらそれを修正する1問トレーニング群、四問誘導質問を行い、こどもが誤った解答をしたらそれを修正する4問トレーニング群、そして、インタビューに先立って紙芝居の内容について絵を描かせる描画トレーニング群を設定し、その後に行われる5問の誘導質問にどの程度「ひっかからなくなるか」を検討した。統制群にはこのようなトレーニングを行わなかった。その結果、4問トレーニング群ではもっとも大きな効果があり、引き続いて描画トレーニング群、に効果があった。一問トレーニング群はほとんど効果がなく、統制群と成績は変わらなかった。なお、四歳児と五歳児では、五歳児のほうが誘導的質問に引っかからないという一般的な傾向があった。この結果より、犯罪の被害児童や目撃児童にインタビューを行っていく場合には、事前に4問程度のトレーニングか描画を行うことによって、誘導耐性をつけることが有効ではないかということが考えられた。実際の犯罪捜査場面でのこの方法の使用手法については引き続き検討していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 情動喚起が目撃者・被害者の記憶に及ぼす効果2006

    • 著者名/発表者名
      越智啓太
    • 雑誌名

      心理学評論 48/3

      ページ: 299-315

  • [雑誌論文] 心理学的手法を用いた性的虐待被害児童の識別2006

    • 著者名/発表者名
      越智啓太, 福田由紀
    • 雑誌名

      東京家政大学研究紀要(人文科学) 46/1

      ページ: 229-236

  • [図書] 犯罪心理学2006

    • 著者名/発表者名
      越智啓太
    • 総ページ数
      182
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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