研究課題
基盤研究(C)
本研究は、生物が持つ視覚的・聴覚的振動刺激の知覚機能を手がかりに、魚類と鳥類の環境認知の特徴を探ろうとするものであった。キンギョを被験体とした研究では、16年度には傾線の傾角弁別閾を測定し、垂線に対して右下がりでも左下がりでも、10度であることを明らかにした。また、従来の装置の欠点を克服するための装置の設計・発注して作成した。17年度には、傾線弁別における傾線弁別における傾角方略と傾向方略の分離を試みた。また、新装置を実際に使用して有効性を検討し、改良を加えた。18年度では、さらなる改良を加え、この装置による訓練の効率を検討した。水平・垂直縞模様弁別訓練を実施しところ、10匹中3匹の被験体で弁別が可能となった。また、これらの被験体に、傾角45゜/90゜刺激対の弁別訓練を実施したところ、2匹が弁別可能であった。これらの結果は、本装置においても魚類の傾線弁別を可能にすることを示すとともに、更なる改良として、刺激の傾角を変更する場合に、小段階で行う必要があることを示唆するものであった。セキセイインコを被験体としたさえずり知覚の中枢を、Zenkタンパク質の免疫染色法を用いて特定しようとした研究では、16年度にはメスで後頭部高次聴覚領域NCMにあること、17年度には前頭部高次聴覚領域NFにはないこと、18年度には大脳尾側部高次聴覚領域において音声刺激によって反応する部位が確認されたこと、NCM、 CMM領域が他のSongbirdと同様に高次聴覚領域と考えられることを示した。また、メスのセキセイインコのコールという音声信号の知覚部位が、オスのセキセイインコ大脳尾側部にあるNCMとC囲領域であり、ここがコールに反応する部位であることを示した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (9件)
動物心理学研究 56
ページ: 171
Japanese Journal of Animal Psychology 56
平成14,15,16年度科学研究費補助金「基盤研究(C)」報告書「聴覚性認知に関する鳴禽類と魚類の比較心理学的研究」
ページ: 45-52
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日本心理学会第69回大会発表論文集
ページ: 1089
Reports of '02, '03, '04 Grant-in-Aid for Scientific Research (C) titled "Comparative research on auditory cognition of Oscines and Fish."
Proceedings of 69^<th> Congress of Japanese Psychological Association