研究課題
基盤研究(C)
授業指導と学級指導の相互作用の場としての「朝の会」「帰りの会」の時間は、教室における教師と子ども、子ども相互の信頼関係や人間関係を育む場として期待されてもいるし、また機能していることが、本研究におけるフィールドワーク及びアンケート調査からあらたて確認することができた。「朝の会」「帰りの会」においては、一日の「振り返り」と子ども相互の「かかわり合う」関係とを相互評価する場面が多く見られるが、そうした相互評価を支えるためには子ども相互の「かかわり合う」関係を促進的にする教室の文化的活動が必要であり、さらに、そこにおける教師の指導的評価活動が重要な役割を果たしていることが実践事例の分析から明らかになった。授業指導に内在する学級指導的側面については、「少人数習熟度別」等で学級を解体して編成される学習集団の授業指導においては、子ども相互の「かかわり合う」関係を浮き彫りにするような教師からの具体的で直接的な指導が多く見られる。そこでの指導は、従来の学級を基盤とする学習集団と同じ方向性を志向するものではあるが、「かかわり合う」ことを子ども自身に意識させることに主眼が置かれたものが多いことが明らかになった。少人数習熟度別の授業指導における「基礎コース」と「発展コース」の比較検討を通して、そこでの子どもたちの学びの質と教師の指導のあり方が一面化しやすく、それぞれのコースの学習内容を相互関連させるような授業構想の必要性が問題点として見えてきた。学級指導のあり方について、本研究で入手した1980年代の「オーディオによる教育実践」テープのドキュメンテーションによって、子どもたち自身が提案し子ども相互で相談し、合意や決定をしていく学級づくりの方法の原則と今日的可能性について見通しを持つことができた。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (8件)
教育学研究紀要(中国四国教育学会) 第51巻
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Annals of Educational Research (The Chugoku-Shikoku Society for the Study of Education(ed.)) Vol.,51
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Annals of Educational Research (The Chugoku-Shikoku Society for the Study of Education (ed.)) Vol.50
Monthly Journal of Japanese Language, ("GEKKANN KOKUGO-KYOUIKU" published Tokyo-Horei) No.289