最終年度に当たる本年度は、次の2つの研究課題に取り組んだ。 第一に、これまでの研究成果を補強する作業に取り組むということである。これまでに取り組んできた、日本とドイツの初等教育および中等教育における学力向上の理念と政策に関する情報を収集し分析を行うという作業の補強を行った。具体的には、全日制学校に関する理念と政策についての情報収集においての補強を行った。これまでの研究から、各州における全日制学校の取り組みにはかなりの程度で多様性が見られることが明らkとなったため、これまでにまだ十分な情報収集が進んでいなかった州における全日制学校の取り組みについての情報収集に取り組んだ。その結果、全日制学校に関してさらに多様な取り組みがなされていることが明らかとなった。他方、ドイツ全体でいえば、全日制学校の財政的基盤となっている「投資プログラム『将来の教育と支援』2003-2007管理協定」(IZBB)の終了時期が2008年まで1年延長されたことにより、各州における取り組みがより一層進められることとなったことも明らかとなった。 第二に、これまでの研究成果を総括する作業に取り組むことである。これまでの研究に対して日独両国の研究者からのアドヴァイスを得ることで、研究成果の質を高めるということであった。ドイツでの研究者へのインタヴューをとおして、これまでの研究の全体像をとらえ直す視点を得ることができた。他方、国内での学会発表等をとおして、専門分野の研究者からも有益な示唆を得ることができた。
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