研究概要 |
最終年度の2006(平成18)年度の研究活動は、本研究の主題に示している「子育て習俗」という概念を、子どもの乳幼児期の「子育て」だけに狭く限定せず、子どもが乳児期、幼児期、少年少女期、思春期、青年期を経て「一人前」になるまでのすべての成育段階を含む広い概念枠でとらえ、可能な限り多様な分野から資料を蒐集した上で、多面的な分類項目を設定することとした。主要には、次の2点に絞って研究を進めた。 (1)図像資料の取り込みとデジタル処理 資料の取り込みとデジタル処理は、これまでに蒐集できた資料から重要な画像資料を選び、それをスキャナーによってパソコンに取り込み、取り込んだ図像資料を「原画ファイル」として分類保管するとともに、この「原画ファイル」をさらにパソコン上で画像処理ソフトを使って処理し、色彩調整、色褪せ修正、粒状修正、コントラスト調整などの処理を施し、品質の向上を図る一連の作業を含んでいる。 (2)図像解析の視点の構築 解析視点の構築は、子ども観を分析する上で、資料の性格を見極めつつ、生活実態の中の子ども、実態と事実の文脈の中で表現される事実上の(defacto)「子どもの姿そのもの」(the reality of children)という視点と、社会全体が心性として抱く子どもに対する理念や観念、あるいは像を、「子ども観あるいは子ども理念」(the Idea of Childhood, the Images of Childhood)という視点とに分けて、双方から解釈する方法論上の観点を意味する。
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