本研究は、イギリスが1980年代から取り組んできた教育改革の中で「教師改革」に焦点を絞って研究調査を行うことを主な内容としている。3年間の研究調査を通してその中心課題である教師の資質能力を明確にするとともに、そのための政策を整理して有効性を検証することがねらいである。 2年目にあたる17年度の主な計画内容は、1年目に行ったTTA、GTC、Ofstedの調査や教師教育や教員養成に関わる担当者の聞き取り調査の結果をまとめることであった。教員免許制度を中心とした内容は、関連の研究報告書(文科省委嘱「教員免許の総合化に関する調査研究」)として整理することができたが、本研究のテーマである「教師の資質向上」の視点での全体的な総括は、その他の政策と併せて3年目の最終年度の課題とした。 その他の本年度の主な研究成果は、次の2点である。 1、イギリス教師の資質と子どもの学力問題の関連を整理してまとめ、平成18年度出版の予定である。 2、イギリスの公立学校の25%が認証を受けている「Investors in People」の現地調査を行い、資料収集と間き取り調査を行った。 本年度で当初予定の研究調査はほぼ終えたことになるが、変化の激しい教育改革を対象としているため、研究全体をまとめる最終年度もイギリスの教師政策を確認する必要がある。平成18年度の主な研究内容は、研究データを最終確認のうえ整理し、最終報告書を作成することである。また、研究成果を関連の学会で口頭発表および論文発表の予定である。
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