研究課題/領域番号 |
16530540
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研究機関 | 東京学芸大学 |
研究代表者 |
佐藤 郡衛 東京学芸大学, 国際教育センター, 教授 (20205909)
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研究分担者 |
高木 光太郎 東京学芸大学, 国際教育センター, 助教授 (30272488)
見世 千賀子 東京学芸大学, 国際教育センター, 講師 (80282309)
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キーワード | 海外子女教育 / 日本人学校 / 東アジア / 国際結婚 / 日本人性 |
研究概要 |
平成16年度の目的は以下の3点である。第1は韓国、台湾の日本人学校の調査により、国際結婚による子どもの実態を把握し、日本人学校の抱える課題を明らかにすること。第2は日本国内の行政、企業、関係機関(日本在外企業協会、海外子女教育振興財団等)、ボランティア団体等の担当者への聴き取り調査により、今後の海外子女教育の動向を探ること。第3は韓国、台湾の海外子女教育政策を把握すること。 以上の点を把握するために、韓国のソウル日本人学校、台湾の台北・台中・高雄の3つの日本人学校の調査の実施、日本国内の行政担当者・企業の人事担当者・関係機関の担当者10名へのインタビュー調査の実施、そして、韓国教育人的資源部国際教育院、台湾教育部僑民教育委員会を訪問し資料収集と担当者へのインタビューを実施した。 その結果、以下の点が明らかになった。 1.韓国、台湾の日本人学校では、国際結婚による子どもが急増しており、日本への帰国を前提した「日本人の育成」という枠では対応できなくなっている。特に、台湾の台中日本人学校では、約3分の2が二重国籍保持者、ないし外国籍保持者であり、日本人学校卒業後、現地の高等学校・専門学校に進学する例が多くなっている。 2.韓国、台湾の日本人学校では日本語の能力が十分でない子どもが多く就学しているため、教科としての日本語、日本語補習授業などを実施せざるをえなくなっている。 3.日本国内の担当者の聴き取り調査からは、日本経済がここ10年はアジアを軸に展開すること、帯同する子どもの数も増加すること、また、現地法人化だけでなく、韓国、台湾の現地企業に職を求める日本人が増加し、滞在が長期化する傾向があることが明らかになった。 4.韓国、台湾の海外子女教育は、ここ10年急速に拡充し独自のシステムをつくりあげている。日本人学校への自国民の子どもの就学を原則的には禁止しているが、台湾では日本人学校への就学希望者が増加している。
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