• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

日本の学力形成システムの現状に関する社会学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16530543
研究機関上越教育大学

研究代表者

藤田 武志  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (70324019)

キーワード学力形成 / 階層格差 / 効果のある学校 / フィールドワーク
研究概要

本年度は、現在の日本の学校における学力形成システムの様相について探るため、主として次の二つの作業を行った。
第一に、教師と生徒の相互作用の状況とその変容のありさまについて探求するため、調査対象の,中学校における長期的なフィールドワークを行った。第二に、学力状況の学校による相違を検討するため、当該中学校を管轄する教育委員会の協力のもと、当該中学校を含む複数の中学校を対象に行った学力調査を分析した。
フィールドワークでは、授業や行事、部活動といったさまざまな場面における生徒の取り組み方と教師の働きかけの様子を記録し、特定の生徒に生じている変化の状況をとらえた。今後は、このような変化が生徒の学力形成とどう関係するかを検討する。
学力調査の分析では、次の四点が明らかになった。第一に、保護者によるサポートのあるような恵まれた家庭環境にある生徒とそうではない生徒の間には学力の格差がある(学力の階層格差)。第二に、家庭環境の状況は中学校によって異なっており、家庭環境に恵まれた生徒が比較的多い学校やその逆の学校がある。しかし第三に、家庭環境が厳しい生徒の多い学校には、家庭環境による学力の格差が、それ以外の学校に比べて必ずしも大きくはないケースがあり、それゆえ第四に、その学校では、家庭環境の厳しい生徒の学力を下支えする働きかけが行われていることがうかがわれる(効果のある学校)。
以上のように、今年度の研究からは、学力水準が高く、分散が小さいという今までの日本の学力状況の特徴が、個々の学校の内部の教育実践を通して形作られてきた学力形成システムに負っていることが示唆され、今後は、その具体的な様相についてさらに検討していく予定である。
なお、年度途中からの補助金受給だったこともあり、今年度については研究は未発表である。

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi