1)米国IIEのOpen Doorsなどの資料をベースに留学生の送り出しと受け入れに関する留学生国際市場の動向を分析し、留学生受け入れ拠点の多角化現象が生じつつあることを実証しつつある。また国際市場における日本市場の競争力の衰退懸念についても調査してきた。他方でわが国の大学における海外留学支援・短期留学推進による派遣留学生の増大に伴う新たな国際市場への参加動向もあることを実証しつつある。 2)各国の国境を越えて提供する高等教育サービス、とりわけOff-shoreプログラムの動向に関する資料を収集し、分析しつつある。 3)WTO/GATSにおける高等教育サービス貿易の自由化政策についての最近の動静を分析しつつあるが、高等教育における国際的質保証のシステム開発を除けば、各国政府の対応が低調になりつつあることを解明しつつある。またWTO/GATSによる高等教育サービスの自由化政策に対する批判的論調が高まりつつあり、その論の整理を進めている。 4)UNESCO・OECDのドキュメントに基づき、国際的な大学の質保証のためのデータベースの構築問題についての分析も行っている。 5)新たな研究課題であるが、わが国の問題として考えるべきではないかもしれないが、最近わが国の大学の中国への進出が盛んになりつつあるが、他方で世界では中国における高等教育関係者間の腐敗問題が実証されつつあり、その中での進出となるという視点で今後の分析のための資料収集を始めることとした。
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