研究概要 |
EU及び欧州審議会(ストラスブール・フランス)は2005年を"European Year of Citizenship"に指定し、民主的市民形成のためのキャンペーンを繰り広げることになっている。 本研究では、当該プロジェクトの会議(ストラスブール、2004年11月17〜19日)にオブザーバーで参加し、このキャンペーンの基本コンセプトを明確にすることができた。その際、ヨーロッパ各国が、多様化し他文化化するヨーロッパ社会において、社会が特に宗教的な背景や人種差別などにより断片化する危機に瀕しているという共通認識を持っており、それに対処するために「民主的市民教育」、「異文化間教育」を子どもから成人まで、各国において実現することが喫緊の課題となっていることを確認した。こうした課題は、各国の国民教育のあり方との関わりで、さらに今後その内容と方法について検討されることになっている。 また、EU本部(ブリュッセル・ベルギー)、関連研究機関の「ジプシー(ロマ)研究所」(パリ大学)、リーズ大学市民教育研究センター(Centre for Citizenship and Human Rights Education, University of Leeds、イギリス、リーズ)、市民教育センター(Institute of Citizenship、ロンドン・NGO)等を訪ね、研究資料の収集を行うとともに、研究交流を行い各地での動向を明らかにすることができた。 特に、次年度に予定している「民主的市民教育」のパイロット・プロジェクトの分析に向けての資料収集を行うことができた。
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