本研究の全体目的は、文部科学省『学生生活調査報告』(以下、文科省調査と略す)や全国大学生活協同組合連合『学生の消費生活に関する実態調査』(以下、生協調査と略す)などを中心とする、学生生活調査の解析を基本に据え、さらにそれらデータだけからでは把握できない、学生の意識の変化をアンケート調査で補い、学生文化の動向を総合的に明らかにすることである。この目的にそくし、3年計画の2年度目に当たる本年度は、以下の作業を行った。 (1)文科省調査については、昨年度作成したデータベースをもとに、1968〜2000年について設置者別の解析を行った。(2)また、生協調査掲載の学生生活に関するデータを入力し、データベースを作成し、その解析を進めた。(3)われわれが約10年前に、日本全国各地から19大学を抽出して、現役学生を対象に実施した、学生文化に関する実態・意識調査を追跡する目的で、前回の対象大学のなかから協力大学を募り、12大学について各大学100人規模の学生アンケート調査を昨年度実施したが、その解析を行った。(4)2年生を対象とした、学生文化に対するインタビュー調査を実施した。これは、同一学生に対する昨年度から来年度にわたる継続的なインタビューになる予定である。なお、(1)については研究協力者の佐野との共著の形で、(3)については研究代表者が、とくに第1志望以外入学者の学生生活・大学満足度の学年変化の問題を中心に、今年度、部分的な成果として論文化した。 なお、本研究を進めるに当たり、物品費は必要文献、資料整理目的の消耗品の購入、旅費は調査打合せ、謝金等はデータの基礎集計のために主に用いた。
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