カンボジアは、最貧国のひとつであり、かつてポルポト政権下、大量虐殺が行われ、多くの知識人が命を失った。現在、復興がはじまっているが、このことが大きな障害となっている。そのような現状下、カンボジアの基礎教育を進めている大きな力の一つとして、NGOの活動があげられる。本研究は、カンボジアの基礎教育の向上に貢献しているわが国のNGOについての調査研究である。今回の調査で明らかにしたことは、小学校の教員への調査を通じて、カンボジアの都市部、農村部、遠隔地における教師の教育に関する意識と現状である。 調査方法:アンケート調査 期日:2006年6月26日から7月10日 場所:プノンペン市、コンポスプー州、スヴェイリエン州、コンポントム州、プレビフア州、ラタナキリ州 対象:小学校の教師 481名、 内容:小学校教師の現状と教育状況と児童の学習について 調査結果集計、統計処理:10月から12月 考察とまとめ:1月から3月 成果:カンボジアの教師の学歴、教師の授業準備の状況とその理由、副業の状況、教師になった理由、児童の学習レベル、理科教育に関する内容などが明らかとなった。全体として、都市部より農村部、農村部より遠隔地の方が、教師の学歴が低く、また教育環境も劣悪であり、児童の学習レベルも低いということが明らかとなった。この成果については、平成19年度のNGOの学術雑誌「ナークジャーナル」5-1に投稿する予定である。
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