1.17年度に引き続き、研究目的達成に必要な人権教育関連の基本文献・資料の収集を行った。その結果、欧州評議会出版局から刊行されたものをはじめ、スイス連邦、オーストリア共和国などにおいて刊行され、教育現場で活用されているテキスト類及びマニュアル等を相当数入手できた。 2.平成18年11月に、欧州評議会ユースセンター・ブダペスト(ハンガリー共和国)、オーストリア人権教育サービス局、ユング研究所(以上オーストリア共和国)、チューリッヒ州教材出版局、EIP(平和の手段としての学校のための世界協会)(以上スイス連邦)を訪問し、人権教育関連の情報・資料の収集を行った。特に欧州評議会ユースセンター・ブダペストでは、所長Rothemund氏と面談し、欧州評議会刊行の人権教育マニュアル"COMPASS : A Manual on Human Rights Education with Young People"(2002)の翻訳書出版の最終的打ち合わせを行った。 3.収集した文献・資料の分析を進めた。分析・検討の成果の一部を、平成15年以来座長を務めている文部科学省「人権教育の指導方法等に関する調査研究会議」の「人権教育の指導方法等の在り方について[最終とりまとめ]」(平成19年6月公表予定)の主要部分及び資料編の作成に活用した。 なお、欧州評議会の上記"COMPASS : A Manual・・・"の単独邦訳を完成し、平成18年12月に『人権教育のためのコンパス[羅針盤]-学校教育・生涯学習で使える総合マニュアル-』と題して出版した。 さらに、平成19年3月、欧州評議会人権教育指導者養成専門員のエリザベス・メルクソー氏との協同で、財団法人人権教育啓発推進センター(東京都)において、全国から参加者を募って第1回の「人権教育のための『コンパス』[羅針盤]」に基づく指導者養成セミナーを実施し、40数名の参加を得た。その他、都府県の多くの教育庁の主催による教職員人権教育研修会で研究成果に基づく講義を行った。
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