[目的] 本年度は、次の事項について研究を進めた。 ・これまでのアジア圏の日本人学校の研究から、ヨーロッパにフィールドを拡充し新たな研究対象を見出す。そして、日本人学校の家庭科の教育環境について調査し、日本人学校の家庭科教育の現状に関する資料を収集する。 ・帰国生徒と一般生徒の家庭生活観や家庭科観の調査をし、帰国生徒にみられる特質を解明する。 [方法] 1.2004年10月〜11月にかけて、イギリスのロンドン日本人学校とフランスのパリ日本人学校を参観した。家庭科の授業や家庭科関連の施設・設備の現状を調査した。 2.ロンドン日本人学校およびパリ日本人学校の小学部、中学部の児童・生徒の家庭生活観や家庭科観について質問紙調査を実施した。 3.2004年10月〜2005年1月にかけて、帰国生が在籍する中学校(6校)の生徒に家庭生活、外国文化、家庭科等について質問紙調査を実施した。 [結果] 1.アジア・ヨーロッパ・アメリカ圏の日本人学校の家庭科教育の現状に関する資料を収集し、問題点や特質を整理することができた。日本人学校における施設・設備の整備状況や家庭科の授業に対する教師の取組の工夫を垣間見ることができた。 2.小学部、中学部の児童・生徒の家庭生活観や家庭科観が明らかとなった。 3.調査データを集計・分析した結果、帰国生徒の家庭生活や家庭科に対する意識が一般生徒とは異なることが解明された。 4.2004年8月にIFHE大会で、10月に日本教科教育学会で発表した。
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