研究課題
基盤研究(C)
仕事に関わるアンケート調査では、小・中学生約3000人の回答を分析した。その結果、子どもたちに仕事について考える機会を提供しているのは、社会科等の授業ではなく家族や友人、マスメディアであること、好きな仕事の上位と下位が小・中ともに共通しており、運輸関係など総じて子どもに情報が少ない仕事の好感度が低いことなどが明らかになった。なお、よい仕事の条件には、楽しみや喜びを感じられる、個性が発揮できる、自分を成長させられる等が挙げられている。好感度の低い仕事は、マスメディア等で話題になることが少ないため、それらがよい仕事かどうかを考える機会すらない現状が推察される。上記の調査と既に行われた各種の調査の結果を受けて、小学校社会科で最も仕事に関わる内容を取り上げることになる5年の産業学習、中でも職業認識の面で問題の存在が予想された工業学習について学習指導要領及び教科書等の分析を行った。その結果、学習において産業の理解に重点が置かれ、働く人間の理解が不充分であることが明らかになった。中学校で仕事を扱う公民分野については、既に以前の研究で基本的な経済概念の理解が優先され、生き方と関わる職業生活の理解が不充分であることを指摘しており、小・中共に仕事、特に働くことの意味を含めた職業という面での仕事に対する認識形成に課題を抱えている現状を示した。こうした課題に教材面から対応するため、現代の「職人」とその事業所に対する調査を実施した。その結果、高度な技術・技能を有する作業者に注目することにより、子どもたちの職業認識を育成し、職業意識を高める教材の開発が可能であることを調査内容により提示した。そして、調査内容に基づく授業を小学校5年生で実施し、働く人間に対する子どもの認識の変容を考察すると共に、中学校公民分野の学習プランを提示した。
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東京学芸大学紀要 人文社会科学系 II 57
ページ: 1-15
BULLETIN OF TOKYO GAKUGEI UNIVERSITY, Section III Social Studies Vol.57
社会科教育研究領域論及び学習内容領域論に関する総合的研究
ページ: 36-45
学芸社会 21
ページ: 1-17
COMPREHENSIVE RESEARCH ON THEORY OF TERRITORY FOR SOCIAL STUDIES EDUCATION RESEARCH AND STUDY MAERIALS
GAKUGEI SHAKAI Vol.21