研究課題/領域番号 |
16530571
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
石田 淳一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (70144186)
|
研究分担者 |
橋本 吉彦 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60000072)
池田 敏和 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70212777)
|
キーワード | 算数科 / 「考える足場」をつくる算数授業 / 習熟度別指導 |
研究概要 |
平成18年度は、八戸市立長者小学校、京都市立桃山東小学校、小松市立第一小学校において算数授業研究会を実施して「考える足場」をつくる算数授業をベースに習熟度別指導も含めて授業実践研究を行った。 長者小学校における平成16年度からの授業研究をまとめる作業を行い、平成18年9月に「考える足場」をつくる算数科授業の創造(明治図書)を出版した。長者小学校の授業研究では単元によって習熟度別コース指導を行い、習熟度別指導における「考える足場」の設定のちがいを明らかにした。 桃山東小学校では、第2学年の算数を中心に授業研究を行い、「千までの数」「ふえたりへったり」「かくれた数はいくつ」「九九」「1万までの数」の単元で「考える足場」をつくる授業展開モデルの検証を行った。「九九」の実践からは、児童に与える「足場」、児童とともに作る「足場」、児童が自ら作る「足場」の3段階で授業実践を行い、足場をはずすプロセスを実現した。 第一小学校では、第4学年の「分数」単元を材料に「考える足場」をつくる算数授業モデルによるすべての児童を対象とした発展的な学習の指導を行い、「足場」の授業で単位分数の考えの理解や数直線の活用力を高めることができれば、すべての児童が上学年の内容に触れる発展的な学習が可能なことを明らかにした。また、授業力向上プログラム作成のために、「指導案作成、修正、授業実践、改善指導案作成」の一連のプロセスを経験する授業実践を行った。参加教師からは短期間で授業設計力が身についたという感想を得た。 18年度の研究からは、通常学級でも「考える足場」をつくる算数授業は習熟度別コース指導でなくても一人ひとりの児童の学力向上に効果的であることが明らかになった。
|