研究概要 |
本年度の計画は,関連資料の収集と,海外共同研究者の招聘などであった。資料収集については,美術教育評価に関する文献,米国教育省刊行のCD-ROMなどを入手した。NAEP(全米教育評価委員会)による全米共通テスト実施の経緯と実際のテスト問題に関して分析し考察した論文を学会誌に発表した。また,収集した資料に基づき,全米学力調査用テスト問題を復元して,大学の授業で,日本語化して出題し,採点などを試行した結果,公表された資料だけからは,特に,創作活動を含む採点の客観性に問題があることがわかった。 日本の小学校図画工作科教科書のカリキュラムについて英語で論文をまとめ,国際会議(InSEAアジア地区会議・北京,米国からも5人が参加)で発表し,意見交換をした。教科書研究は,そこに「学力観」の典型が表されるという意味で重要である。海外共同研究者の一人である徳博士は,日本の教科書と米国の教科書との比較研究の成果をNAEA(全米美術教育学会)で発表した。 平成17年3月には,海外共同研究者であるオハイオ州立大学名誉教授,エフランド博士を招聘し,愛知教育大学及び大阪教育大学の附属小・中学校での美術授業を観察し,授業者との意見交換を行った。授業はビデオ撮影され,現在,DVDに編集中である。指導案などを一部,英訳して添付資料とすべく翻訳作業にとりかかっている。
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