研究概要 |
本研究は,児童生徒にとって,コンピュータ操作によるバーチャルな立体モデリングがどういう活動であるのか,その表現の豊かさと興味深さを特定し,それぞれについて克服ないしは強調するための環境を明らかにし,指導法を提示することを目的としている。 本年度は,前年度からの研究を継続する形で,データ収集システムを増補し,これまでの成果を元にして,実際の中学生(三重大学附属中校)を対象にした実験的教育活動を継続し,そのデータから,実際の教材のアウトラインとして以下を示した。 ・表現指導の基本は,表現イメージの具体化の支援にある。表現技術は,学習者が表現内容に応じて自己獲得するべきで,その支援が,指導法として有効である。 ・3DCG表現システムはいまだ流動的で多種多様である。3DCG制作の学習は,知識受容型ではなく,問題解決型・自己学習型である必要がある。その具体的な方法として,PBLチュートリアルが有効である。 ・チュータのリソースとして,生徒自身をその下級生を対象とした教育活動のチュータとすること,すなわち,ピア・サポートが想定できる。 この内容は,金沢大学で開催された第29回美術科教育学会全国大会にて,平成19年3月26に口頭発表した。 この三年間の研究成果を主に学会誌に投稿した論文内容の統合したものとして,研究成果報告書を作成した。これをPDFファイルにし,付属の動画データを同梱したものをCD-ROMとして400枚余りプレスした。そのうちの約300枚を金沢大学にて3月25-26日に開催された第29回美術科教育学会全国大会にて参加者に配布した。また,報告書のPDFファイルのみについては,「三重大学学術機関リポジトリ研究教育成果コレクションMIUSE」にて,インターネット上に公開される予定である。
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