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本研究の目的は、小山正孝が構築した「数学理解の2軸過程モデル」に基づく算数科授業改善の可能性を実践的研究によって明らかにし、小学校教員養成及び現職教師教育のおり方と具体的な方策に対する示唆を得ることである。そのため、本年度は、過去2年間の研究成果をもとに、(1)長期間の授業実践による2軸過程モデルの実践的検討を行い、(2)小学校教師の資質向上と児童の算数理解を評価するとともに、(3)3年間の研究成果のまとめを行った。その結果、以下のような研究成果が得られた。
第一に、4つの小学校における長期間の算数科の授業実践の分析・検討を通して、2軸過程モデルに基づく授業構成の原理と方法のさらなる精緻化を図り、算数科授業構成の3つの原理と3つの方法を導出することができた。
第二に、4つの公立小学校における継続的・体系的な算数科授業研究や小学校教師の算数教育に対する意識の変容及び児童の算数理解の変容を調査・分析することによって、教師が算数科の授業改善を行う際に2軸過程モデルに基づく算数科授業構成の原理と方法が一つの有用な指針となることが明らかになり、児童の算数理解が深まるという結果が得られた。
第三に、数学理解の2軸過程モデルとそれに基づく算数科授業構成の原理と方法は、小学校教員養成及び現職教師教育に有効に活用することができ、算数科における授業改善に寄与し得るということが明らかになった。
こうした本年度の研究成果を国内の学会で発表するとともに、主要な研究成果は「算数教育における数学的理解の過程モデルの研究」(小山正孝、広島大学博土(教育学)学位論文、2007)に所収された。
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