研究課題
基盤研究(C)
本研究は、ピアノにあわせて歌うとハモラない原因である12等分平均律の欠点を修正し、より音楽的協和度が高く、教育現場にも最適のピアノ音律を、古典音律を参照しつつ選定することを目的として、以下のプロセスで研究を進めた。その結果、ヤング音律を最適と認定し、ヤング音律によるピアノ調律を実践し、調律に伴う困難に一定の解決を与えるとともに、その音楽的響きの優れていることを実証した。1.協和度を、基音音程関係だけでなく、倍音相互のピッチの相違からも判定した。2.総合的に比較検討し、ヤング音律を最適と判定した。3.ピアノでヤング調律を行なうにあたり、基本オクターブを決定するための唸りの回数/secを理論的に算出した。4.ヤング調律の際のピアノのインハーモニシティを測定した。5.古典音律の範疇であることを勘案し、現代のピアノに適したオクターブ拡張について考察・決定し、ヤング音律ピアノに適用した。6.ヤング音律を含む各種古典音律と平均律について、実際の音楽のフレーズを用いて好感度調査を行ない、ヤング音律と平均律が、ほぼ同程度高く評価された。
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