映像教材作成を目的とする本研究で平成17年度に実施した内容は以下のとおりである。 1 郷土の音楽に関する資料の収集 「ハイヤ節」については、牛深市及び熊本県立牛深高等学校を訪問し、「牛深ハイヤ節」の音声ソフトCD等を入手した。また、長崎県平戸市を訪問し、平戸市教育委員会作成の「田助ハイヤ節」に関する映像資料DVDを入手、同曲に関する文献の調査を実施した。「歌オラショ」については、生月島博物館「島の館」を訪問し、学芸員の中園成生氏より現在の各村落における実施状況を聴取し、演奏の予定等を確認した。また、隠れキリシタン関係の文献を入手した。なお、山田集落では教会が解散しており、「歌オラショ」その他の歌を早期に記録伝承する必要があることが明らかになった。 2 「長崎明清楽」の映像収録 「長崎明清楽」に用いられる楽器の演奏を平成16年度に引き続き収録した。楽器は、昨年度収録の月琴、三弦子(蛇皮線)、胡弓等に加え、明笛、琵琶、班鼓などの楽器の演奏及び「法界節」などの声楽曲である。合奏については次年度の収録を予定している。 3 「ハイヤ節」の映像収録 「牛深ハイヤ節」は、熊本県立牛深高校の郷土芸能部の協力を得、その演奏と踊りを収録した。教材としての映像は、年齢の近い者の表現が授業を受ける児童生徒にとっても身近に感じるであろうことから、全国的に有名な同校の郷土芸能部に協力を依頼した。 調査の結果「田助ハイヤ節」についても小学生が演奏と踊りを練習しており、収録に際しては協力を依頼する予定である。
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