研究課題/領域番号 |
16530608
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研究機関 | 山形県立保健医療大学 |
研究代表者 |
斎藤 亮子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部・看護学科, 助教授 (40276168)
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研究分担者 |
山田 晧子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00261678)
井上 京子 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (70299791)
沼澤 さとみ 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 助手 (80299792)
嶺岸 秀子 北里大学, 看護学部・看護学科, 助教授 (20258883)
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キーワード | がん看護学 / 看護基礎教育 / がん看護 / がん患者 / 臨床実習 / 患者への思い |
研究概要 |
研究1【テーマ】4年制看護系大学における癌看護学教育の実態【研究目的】我が国の看護系大学における平成16年度の癌看護学教育の実態を調査する。【研究方法】郵送による質問紙調査法〔調査対象〕平成16年度日本看護系大学協議会加盟校118校〔調査期間〕平成17年2月〜4月【研究結果】〔回収率〕35%(43校)有効回答数39 癌看護(学)講義については、癌看護(学)を科目立てしている大学は1〜3単位(15〜52時間)で5校、科目立てはしていないが、成人看護方法論等の中で癌看護(学)を15時間前後総合的に講義している大学は8校であった。癌看護(学)の講義目標は、科目立てしている大学は、癌患者が癌と共に生きる過程を総合的に支えるための視点を学習する、等であった。【考察】基礎教育における癌看護(学)教育に関しては、改善を模索する新たなうねりと、旧来肯定的うねりが存在していた。 研究2【テーマ】看護系4年制大学で癌看護学(講義)を学んだ学生が臨床実習で癌患者を受持った際の患者への思い【研究目的】癌看護学を受講した学生が臨床実習で癌患者を受持った際にどのような思いを抱いたかを質的に明らかにする。【研究方法】対象:Y大学看護学科4年生で、実習で癌患者を受持った学生3名。データ収集:反構成式面接法【結果】学生Aは、胃癌で余命3ヶ月の70歳代女性を受持ち、〔自分にできることをやろうという思い〕で接し、患者は笑顔を取り戻した。〔ターミナルケアは特別ではなく、他の看護と同じだ〕と思った。学生Bは、進行性大腸癌、50歳代女性を受持ち、〔激しい副作用で突然状況が変わったことへの驚き〕〔癌への恐怖〕で慄いたが、毎日、症状緩和ケアに努めた。〔次回は早期から副作用に対処したいという思い〕を抱いた。学生Cは、肝細胞癌、肝動脈塞栓術の70歳代、女性を受持った。〔患者は対処能力があり、癌とうまく付き合ってきた人であり、今後も付き合っていける人であるという思い〕を抱き、〔癌看護は慢性疾患看護である〕を実感した。【考察】学生は実習が進むにつれ柔軟な思いが拡がっていた。学生は自分が抱いた患者への思いと知識を統合させ、癌看護学の学びを深めていた。
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