研究概要 |
学習指導要領の一部が改正され、総合的な学習の時間において博物館等を活用した学習の充実がさらに求められることになった。そこで本研究では、博物館、特にハンズオン教材を活用した新しい学習プログラムの開発を行った。この学習プログラム国立民族学博物館との連携により、必修授業である中学校技術・家庭科の「技術とものづくり」と総合的な学習の時間との連携を前提としたものであり、材料に対する科学的な理解をもとにしたものづくり学習の新しいモデルプランの提案である。 しかし、ただものづくりのための学習プログラムを開発するのではなく、その前提となる学習者(特に中学生)の材料に対する評価、材料に対するイメージについて一定のイメージモデルを構築し、それらをもとにした学習プログラムを開発する点に特徴がある。そのため、まずはハンズオン教材に対してどのような視点で、どのような手順で学習者が自身の五感を活用していけばよいのか。それらのもととなる材料評価を様々な視点(年齢,生活環境,教育の影響など)より行った。一例として,中学生は,木や竹などの自然材料をアルムニウムなどの人工材料に比べ,使用希望度を高く評価することが明らかになったが,これは形を変えてハンズ・オンの展示資料となったモノに対しても同様の結果が得られることが明らかになった。なおハンズ・オン教材への知見には、資源・材料に対する充実したカリキュラムをもつマレーシアの事例を参考にした。これらの基礎研究をもとに開発した学習プログラムは、実践した。本研究で開発した学習プログラムをもとにした実践は高く評価され,平成18年3月に文部科学省が発行する国際理解教育の実践事例集(中・高校編)に掲載される予定である。
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