研究概要 |
本研究の目的は、米国における障害乳幼児のための環境アセスメントに関する先駆的な研究を参考にしながら、障害乳幼児の療育において、未だわが国では目が向けられていない「家庭環境アセスメント」を開発し、「家族力」を最大限に生かすことのできる具体的な支援方法を確立することである。 本年度は、平成16年度に開発したムーブメント教育・療法アセスメント(Movement Education and Therapy Program Assessment-Revised ; MEPA-R)のすべてのチェック項目(180項目)に対応した支援プログラムを作成した。この支援プログラムの開発により、アセスメント、支援目標、支援展開が密接に関連し、障害乳幼児のための家族力と環境を取り入れた支援が可能になった。また、MEPA-Rによるアセスメントを障害乳幼児を対象に適用した結果、そのプロフィールには、障害ごとの特徴が認められることが明らかになった。 さらに、本研究における家族環境アセスメント項目の構築に向け、米国のIFSP(Individualized Family Searvice Plan)に活用され、その特徴である家族アセスメント(Family-directed assessment)を検討した。IFSPにおける家族アセスメントは、財源や人的資源などの「資源」の状況、家族の望むサービスの「優先順位」、「家族の関心」などを中心としていた。1980年代から2005年までに考案された家族アセスメントを検討した結果、First Steps Early-Intervention System FAMILY INTERVIEW, Hopes and Dreams Exercise, Routines based approachに見られるインタビューを取り入れた方法やFamily Needs Survey-Revised Edition, Family Empowerment Scale(FES)のような記述式の方法があり、本研究における家族アセスメントへの活用が示唆された。
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