研究課題
特別支援教育の対象である発達障害の児童・生徒の障害実態を把握する客観的評価法として、学業の到達度評価や行動異常の評価に関する評価法は多く開発されており、実際に有効に働いているのに対して、その脳機能の障害を推定する評価法が極めて少ない。発達障害を対象とする場合、その障害が環境要因によるものか、脳機能障害によるものかを診断することは極めて重要である。学業や行動の面では、健常児に関しては大規模なデータの蓄積による規範データと対照することで障害を同定できるが、脳機能の面では大規模な蓄積がなされていない。そこで、本研究では、複数の研究者が基礎的脳波データを持ち寄り、一箇所のサーバに蓄積するデータベースを構築することで、健常児データの蓄積を図ることを目的とする。健常幼児・児童の基礎律動データの蓄積と、データベースサーバの立ち上げ準備を行なってきた。平成18年年2月に文部科学省よりインターネットを介した情報流出について注意があり、不正アクセスへの防止策について平成18年度に検討したが、有効な防止策を確立するには至らなかった。それを踏まえて、平成19年度は、(1)防止策の確立に向けてデータベースシステムの認証システムを導入し。(2)研究分担者等による健常幼児・児童のデータ蓄積を引き続き行い、(3)原記録と解析プログラムの転送試験を行った。データベースシステムにおける基礎的処理プログラムの運用試験として、オートパワスペクトル計算、誘発電位や事象関連電位に関しては加算平均処理について運用試験を行った。これらの運用試験に基づき解析をした規範データとの対照による発達障害児童の基礎律動の特徴を第26回日本生理心理学会(平成20年度)において発表する。
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