・本研究は島嶼圏を抱える沖縄県の地域的な特殊性に鑑み、離島地域である宮古島の地域性を最大限に活かした今後の特別支援教育の在り方を、地域ネットワーク作りを通じて考えていこうとするものである。平成17年度は、昨年度行ったアンケート調査の結果を踏まえ、県立宮古養護学校と協力しながら関係諸機関を訪ね、新たなネットワーク作りを進めた。 ・昨年度行ったアンケート調査の結果を踏まえ、平良市教育委員会、宮古教育事務所と連携して、特に公立学校の担当者を対象とした研修会と学校支援等を充実できるような体制作りを進めた。 ・沖縄県教育庁が広域特別支援連携協議会を設置し、それに伴って宮古地域特別支援連携協議会が立ち上がったことで、これまで行ってきた個人レベルから組織的ネットワーク作りへ移行するための受け皿ができた。協議会などに参加するスタッフに、これまでボトムアップで連携を深めてきた職員が当たることでさらに緊密なネットワークの構築が可能となった. ・現在は県の巡回医療相談・訓練が毎月行われているが、今年度は実際に宮古養護学校との連携の基、教育相談窓口をこの巡回相談と同時に開設した。このことで、各種相談機関が一本化され、保護者や関係職員がより利用しやすい相談体制が整いつつある。 ・教育の分野を始め、医療・保健、福祉の3つの大きな関係分野を念頭に置き、各分野でこれまでに個別に行われてきた障害児支援の歴史と現状について調査、研究を進めた。このことから、復帰後の関係諸機関の歴史的背景が明らかとなり、今後の特別支援教育の方向性が明確となった。
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