本研究では、点字を常用している児童生徒が、効率よく漢字の力を身につけるための指導法の研究を行い、そこから指導プログラム及び教材の開発を目指している。 この目的を遂行するにあたり、具体的な研究ステップとして、次の3点をあげた。 1.漢字学習指導プログラムと教材の開発のため、盲学校で行われている漢字指導法と教材の実態を把握し、課題を整理する。 2.漢字学習指導プログラム及び教材について検討し、試作する。 3.試作した指導プログラムと教材を検証し、修正を加えていく。 17年度は16年度に電子化した漢字学習プログラムの教材(点字と点線図形)をA盲学校で検証し、点線図形の部分の修正を加えた。また、漢字学習への興味関心を深める教材として、語源を活用した「漢字カルタ」を点線図形(取り札)と点字(読み札)で作成した。 そして、盲学校で行われている漢字指導法と教材の実態を把握するために、盲学校小学部国語教科書から、漢字を扱った単元を抜き出し、その単元の指導法や補助教材等について、全国の盲学校を対象としたアンケート調査を行った。この結果については来年度の特殊教育学会にて発表予定である。 今後、引き続きA盲学校で、漢字学習プログラムとその教材、及び漢字カルタの検証、修正を行い、さらに指導事例をまとめていく。また、盲学校小学部国語教科書中の漢字を扱った単元について、その指導時の配慮事項や指導案、補助教材等についてもまとめていく予定である。
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