研究課題
基盤研究(C)
本研究は岩澤理論を中心に数論的関数との関係を意識しながら代数体のイデアル類群に関する基礎理論をさらに進展させることを目的として研究を進めた。初年度には研究代表者が関係する結果であるアンビグイデアル類群と数論的関数の関係式の一般化と実2次体のp=3に関する岩澤不変量の零性に関する密度評価結果の精度に関する考察を行った。前者については計算機データから手掛かりとなる振舞いが見出せなかったが、後者については、類数の非可除性に関するCohen-Lenstra Heuristicをモディファイし予測割合を求めたところ、我々の評価が非常に良いことが確認できた。最近の研究でもp>3の場合には予測値からほど遠い成果しか得られていないことを考えると、これは重要な分析と言える。この結果は2004年12月の北陸数論研究集会で発表を行った。次年度は後者の研究の続きとして、p=2に関する岩澤不変量の零性について考察し、実2次体ではそのような体の密度が零であることを示した。p=3ではそのような体の密度が0.7以上で、p>3でも正であると予想されていることと比べると、この結果は興味深い。これは2005年6月の国際研究集会「確率論と数論」で発表した。さらに、この成果を発端として、東京電機大学の山本現氏とアーベル2-拡大体のp=2に関する岩澤不変量の零性の研究へと進展。その後研究期間の最終年度までgenus理論や中心拡大体の理論を応用し、p=2に関する岩澤不変量が零となる実アーベル2-拡大体の特徴付けを行い、それらを具体的に決定した。この成果は、2006年1月の日韓数論セミナー(韓国)、同8月の国際数学者会議(スペイン)、同10月の室蘭数論研究集会で発表を行った。組合せ論と数論の相互応用については満足な成果は得られなかったが、相互交流の場として開催した「仙台小研究集会」を通して、問題提起や解決に一定の役割が果たせたものと考えている。
すべて 2007 2006 2005
すべて 雑誌論文 (12件)
第1回・第2回室蘭数論研究集会報告集 1&2
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Proceedings of the 1st and 2nd Muroran Number Theory Symposium Vol.1&2
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Proceedings of Korea-Japan Number Theory Seminar 2006, KAIST 2006
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日本応用数理学会2005年度年会講演予稿集
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Proceedings of the 3rd Workshop on Number Theory, Hokuriku (Kanazawa) Vol.3
Proceedings of the 2005 Annual Meeting of Japan Society for Industrial and Applied Mathematics