研究課題
基盤研究(C)
(1)円分多重値L値凸体のゼータ値の研究。古典的なゼータ関数を一般化してディリクレのL関数を得るのと同様に多重ゼータ値にたいして多重L値というものが考えられる。これは多重ゼータ値が満たす性質を多くみたしており、混合テイトモチーフの周期としても解釈される。また多重ゼータ値の別の方向の一般化としてザギエやウィッテンにより別種のゼータ値が考えられていた。これは凸体内の整数点に関するゼータ値として一般化される。この一般化した凸体のゼータ値がじつは円分体の多重L値を用いて表されることをしめした。これはトリック多様体とその部分トリック多様体に関する相対コホモロジーにおける周期が乗法群から1のべき根を除いた空間の基本群の周期でかけることを意味する。(2)アソシエータに対するコホモロジー理論を展開する。絶対ガロア群を射影空間から3点を除いた空間の基本群の1進完備化に作用させたときその像がどうなっているか、ということが問題にされている。このなかで、ガロア群の像が1進自由リー群になるであろうという伊原-ドリーニュの予想は基本的な問題とかんがえられる。もうひとつの問題としてグロタンディークータイヒミュラー群が自由リー群になるであろうという予想がある。後者は少し強い予想であるが、この予想に関するアプローチをすすめた。ひとつは特殊な多様体および多様体対のコホモロジーでそこにグロタンディークータイヒミュラー群が作用するようなものを系統的に考えた。さらにこの構成法をすこし変形して、ブロックの高次チャウ群を計算する微分次数代数でグロタンディークータイヒミュラー群が作用するものの候補を考えた。さらにトーラスの微分次数代数をすこし変形させたものでよい性質があるものの存在がいえれば、グロタンディークータイヒミュラー群の自由性に関する予想が示されることを証明した。
すべて 2004
すべて 雑誌論文 (4件)
Geometric aspects of Dwork theory
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