研究概要 |
具体的な研究成果の概要は次の通りである。 Vを付置環、kをその剰余体とする。L=K(x,y)を体K上、多項方程式f(x,y)=0で定義された1変数代数関数体、V_<xy>をK(x,y)の付置環、k_<xy>をその剰余体とする。V_<xy>がVを支配し、またk_<xy>/kが超越拡大体とする。するとk_<xy>は1変数代数関数体となる。これについてf(x,y)=y-x,すなわちLが有理関数体なるときはNagata-Ohmの定理によりk_<xy>は、k_1をkのk_<xy>内での代数閉包とするとき、t∈k_<xy>が存在してk_<xy>=k_1(t)と表せることが示されている。 本研究では、f(x,y)=y^n-h(x)(0<n,h(x)∈K[x])になる場合についてk_<xy>のk-代数構造を主に研究した。その結果、kが標数零の代数的閉体のとき、そのような体k_<xy>=k(z,w)の定義方程式g(z,w)=0を具体的に得ることができた。特にy^2=x^m+λ_1x+λ_0(λ_0,λ_1∈K)で定義されたLに対してk_<xy>が有理関数体になるためのm,λ_0,λ_1についての必要十分条件を得ることができた。 この結果は研究分担者との共著論文 「Valuation rings of algebraic function fields in one variable」 宮西正宜教授退官記念論文集Affine Algebraic Geometry(日比孝之編 大阪大学出版会) として出版される予定である。
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