研究概要 |
当該研究課題に関する平成16年度および平成17年度の主な研究成果の概要は次の通りである。代数体上にどのような不分岐非アーベル拡大が存在するか?と言う問題は、類体論の拡張と言う観点からも興味深い。研究代表者野村は、3次巡回体上の不分岐3拡大の存在に関して次の問題を考察した。 問題P(F,G):ガロア拡大F/Qと有限群Gに対して、不分岐ガロア拡大M/Fでそのガロア群Gal(M/F)がGと同型なものが存在するか? FとKをある分岐条件を満たす2つの3次巡回体とし、G_1とG_2をそれぞれGAPナンバーが[81,9][23,2]の群とする。主結果の一つは以下のように述べることが出来る。Fの類数が81で割り切れているとする。このとき、次が成り立つ。 (1)K上の不分岐ガロア拡大Mでガロア群Gal(M/K)がG_1と同型なものが存在する。 (2)F上の不分岐ガロア拡大Mでガロア群Gal(M/F)がG_2と同型なものが存在する。 また、代数体の類数の可除性に関するNaito(1987)の結果の特別な場合について群論的な別証明を与えるとともに若干の拡張を得た。 研究分担者平林は、多重デデキント和を構成し、それを用いた虚アーベル体の相対類数公式を与えた。さらに平林はGirstmairの相対類数公式の一般化を行った。
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