可換の場合のみ示されていた、アソシエーションスキームに関するクリフォードの定理を示した。アソシエーションスキームが強正規閉部分集合をもつとき、その剰余スキームは本質的に有限群となる。この有限群は隣接代数に作用するわけではないが、Dadeによって研究されている群次数つき多元環となり、Dadeの理論が適用できる。複素数体上の隣接代数の場合には、この群次数つき代数の加群の圏が完全可約となることを示した。これによってDadeの理論が非常に良い形で適用できることが分かる。具体的には以下のことが示される。 1. 既約加群を強正規閉部分集合に制限すると、ある規約加群の共役が同じ重複度で現れる 2. 強正規閉部分集合の既約加群の安定部分群に対応する閉部分集合の既約加群と元のアソシエーションスキームの既約加群の間に誘導による自然な全単射が存在する 3. 安定部分群に相当するものが元のアソシエーションスキームと一致する場合には、その加群とある一般群環の加群に自然な全単射が存在する これは有限群のクリフォードの定理とほぼ同様の内容である。しかし、既約加群の共役は、必ずしも元の加群と同じ次元をもつわけではなく、Dadeの理論が面白い形で実現されていることも分かる。
|