研究概要 |
A型affine Hecke環は代数群の表現論において重要な位置を占め、量子はSchur-Weyl相互律とも深くかかわる代数であるがA型量子群をBC型に変えると対応してaffine Birman-Murakamai-Wenzl代数が現われる。そこでその退化である affine Wenzl代数を研究し、そのすべての有限次元既約加群を構成することに成功した。ここで基礎体は奇標数の任意の代数閉体である。手法は実数体上でのsemi-normal表現の構成と、Nazgrovの結果を用いてSchurのq-関数でパラメータが統制される特別な巡回商がcellularになることを示すこと、およびそのcell加群から得られる既約加群が0にならないための必要十分条件の決定が本質的で,あとはこうやって得られる既約加群ですべての有限次元既約加群が尽きていることをいえばよい。本研究はNagaya Math.Jに6月頃出版される。 またA型affine Hecke環の巡回商であるG(m.l.n)型Hecke環に対しモジュラー分岐則を証明した。q=1のときはKleshchevが彼の一連のMullinegux予想を解決した研究論文の中で証明し,q≠1のときはBrundanがその手法を拡張して証明した結果があるが,これは両方ともA型 Hecke環に関する結果であり,(すなわちm=1の場合)m>1の場合にはその手法を拡張することができない。これを新しいアイデアで任意のmに対し,はるかに短いページ数で証明に成功したのである。 この成果については現在投稿中である。
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