研究分担者 |
日比 孝之 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (80181113)
川中 宣明 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (10028219)
伊達 悦朗 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 教授 (00107062)
永友 清和 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (90172543)
三木 敬 大阪大学, 大学院情報科学研究科, 助教授 (40212229)
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研究概要 |
本研究では、主につぎの結果を得た。 山根はコクセター半群(亜群)と松本の定理(Heckenbergerとの共同研究;math.QA/0610823)を得た:通常のコクセター群はワイル群の一般化である。ワイル群は単純リー代数のルート系に付随する概念である。ワイル群はルート系のルートの直交する超平面の鏡映によって生成される。重要な事実としてルート系のすべての基は、ワイル群によって移り会うという事が知られている。一方、単純スーパー・リー代数のルート系の基は必ずしも共役ではないが、奇鏡映を加える事によって互いに移りあう事が知られている。他方、1の冪根で定義される有限次元量子群とほぼ等価な概念として対角型ニコルス代数がある。Heckenbergerは、対角型ニコルス代数の分類の為にワイル亜群(半群)の槻念を導入した。我々は、これらの概念をとりこむルート系の一般化を提案し、それに付随するコクセター半群を導入した。 上記の概念をとりこむ為に我々のルート系の一般化の公理は内積を使わない。その代わりに、例えば、各単純鏡映は、対応する単純ルート以外の正ルートは別の正ルートに移す事を公理のひとつとしている。この公理よりコクセター半群の元の長さ関数が負ルートに移る正ルートの個数と同じである事を示した。この事により、コクセター半群が各単純鏡映の2乗が恒等写像になるという関係式とコクセター(ブレイド)関係式を定義関係式にもつ事を示した。さらにコクセター半群の同じ長さをもつ2つの元は、コクセター(ブレイド)関係式のみで移りあう事、すなわち松本の定理を示した。 また山根は上記の応用としてHeckenbergeと2人の物理学者であるSpillとTorrielliとともにアフィインD(2,1;x)の量子アフィン超代数のドリンフェルド第2実現を構成した。 三木はsl(n)型(n≧2)のトロイダル量子群から生じる商代数を考え,この商代数とMacdonaldの差分演算子との関係を調べた。また,W_{1+∞}代数の2変数q,γによる変形となる代数に関して,自己同形,準有限表現,ボゾンによる表現のテンソル積表現とq変形されたW_N代数との関係などを調べた。
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