研究課題/領域番号 |
16540033
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
市村 文男 茨城大学, 理学部, 教授 (00203109)
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研究分担者 |
内藤 浩忠 香川大学, 教育学部, 教授 (00180224)
小屋 良裕 横浜市立大学, 国際総合科学部, 準教授 (50254230)
隅田 浩樹 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 助教授 (90291476)
相羽 明 茨城大学, 理学部, 助教授 (90202457)
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キーワード | 正規整数底 / イデアル類群 / Stickelberger ideal |
研究概要 |
素数pを一つ固定する。代数体F上のすべてのp次巡回拡大N/Fがp-整数環に関して正規底を持つとき、Fは条件(H_p)を満たすという。Hilbert-Speiserにより、有理数体Qはすべてのpで、(H_p)を満たす。 今年度の最初の仕事は、一般の代数体Fが条件(H_p)を満たすための必要十分条件を与えたことである。位数pの有限体の乗法群G_pに付随して古典的なStickelberger ideal Sが定義されている。G_pの各部分群Hに対して、ideal SのH-部分をS_Hとする。K=F(ζ_p)とし、そのガロア群を自然に、G_pの部分群Hと同一視する。従って、S_HはKに付随する諸々のものに作用する。このとき、Fが条件(H_p)を満たすことと、S_HがKのp-ideal類群を消すことが同値になる。このことを、2つの仕方で証明した。一つは、初等的なものでHilbertの古典的な議論を極限まで一般化するもの。もう一つは、"realizable classes"についてのMcCullohの洗練された定理を用いるものである。 次に、隅田浩樹(徳島大学)との共同研究で、上記のideal S_Hの性質を調べた。膨大な数値計算を実行して、このidealは多くの場合に自明であることを確認し、pが法4で1であるか又はG_p内でのHの指数が2より大であれば、S_Hは自明という予想を提出した。数値実験と上述の必要十分条件を用いて、p-分体の(非自明な)部分体で条件(H_p)を満たすものはまれにしかないことを確認した。 3番目の仕事は、上記の予想に対する十分条件、をp-分体の相対類数についての条件を用いて与えたことである。この条件は計算されているすべてのpで満たされている。さらに、p-分体の虚の部分体で(H_p)を満たすものを決定した。
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