研究概要 |
I.本研究の推進を主な目的とした国際会議の開催: 本研究課題の推進を主な目的とした国際研究集会,i)"Analytic Number Theory 2005"(京都大学数理解析研究所,2005年10月17日〜19日); ii)"Diophantine Analysis and Related Fields 2006"(慶應義塾大学日吉キャンパス,2006年3月7日〜10日)が,それぞれ本研究代表者をmain organizerとして開催された.両研究集会とも,内外から多数の解析的整数論関連方面の指導的専門家の参加を得て,多彩・活発な研究交流を行うなど,研究集会としてかなり良好な成果をあげるとともに,本研究課題のさらなる深化・進展への展望を切り拓くことが出来た. II.Epsteinゼータ関数の加重平均の完全漸近展開: 以下,sを複素変数,z=xを複素上半平面のパラメタとするとき,正定値二次形式Q(u,v)=|u+vz|^2に付随して,そのEpsteinゼータ関数が,ζ_<Z^2>(s;z)=Σ_<(m,n)∈Z^2\{(0,0)}>Q(m,n^<-s>)Re s>1)およびその全s平面上の有理型関数への接続として定義され,整数論的二次形式の研究において重要な役割を果たしている.いまα,βを複素パラメタ,Γ(s)でガンマ関数を表すとき,本研究代表者は昨年度からの研究で,ζ_<Z^2>(s;z)のy=Imz→+∞における完全漸近展開を導き,さらにその(Poisson分布型加重平均ともみなせる)Laplace-Mellin変換LM^α_<y;Y>ζ_<Z^2>(s;x+iy)={1/Γ(α)}∫^∞_0ζ_<Z^2>(s;x+iyY)y^<α-1>e^<-y>dyのY→+∞における完全漸近展開を証明した(結果は論文"Complete asymptotic expansions associated with Epstein zeta-functions"として纏められ,欧文学術雑誌に発表予定).現在はさらにLaplace-Mellin変換に深く関連したRiemann-Liouville変換RL^<α,β>_<y;Y>ζ_<Z^2>(s;x+iyY)={Γ(α+β)/Γ(α)Γ(β)}∫^1_0ζ_<Z^2>(s;x+iyY)y^<α-1>(1-y)^<β-1>dyのY→+∞における完全漸近展開についてもほぼ満足できる成果が得られており,現在欧文論文を準備中である.
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