研究概要 |
平成16年度と平成17年度は、種数2の具体的な代数曲線で、そのJacobian varietyの自己準同型環の商体が虚の4次巡回体になるもについて研究した。即ち,その4次巡回体をKとするとき,Jacobian varietyの2べき分点をKに附加した体はKomod2べきのray class fieldを含むことを示し,さらにテータ関数の特殊値として得られるKomond2べきのray class fieldの元に表われる素因子がKで完全分解していることを示した。さらにmod4,mod8のray class filedの中にテータ関数の特殊値として単数を構成した。さらに平成17年および平成18年3月に早稲田大学において整数論の研究集会を開いた。 平成18年度は,より一般なCM型アーベル多様体について,そのモーデルヴェイユrankとラムダ不変量の関係を調べて。即ち,Kを2d次のQ上ガロア拡大であるCM対とし、QをKの整数環とし、AをQと同型な自己準同型環をもつアーベル多様体とする。AはK上定義されているとし,PをKで完全分解する奇素数とする。AはPの上にあるKのprime でgood reductionをもつとし,Pの上にあるKのprime idealは単項イデアルとし,それを(π)とする。Aのπ-べき分点をすべてKに附加した体Lには岩澤ラムダ不変量が定義されている。AのK-有理点全体のQ-rankをrとするとき,我々は,上記岩澤ラムダ不変量がr-d以上であることを示した。これは岩澤理論がアーベル多様体のBirch-Swinnerton-Dyer予想についても役にたつことを示している。 平成19年3月にも,早稲田大学で整数論研究集会を開き,100人以上の参加者を得た。
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