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2006 年度 実績報告書

多変数保型形式の整数論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16540048
研究機関近畿大学

研究代表者

長岡 昇勇  近畿大学, 理工学部, 教授 (20164402)

研究分担者 泉 脩蔵  近畿大学, 理工学部, 教授 (80025410)
キーワード整数論 / モジュラー形式
研究概要

この研究期間における主な研究目標は、以下の2点であった.
(1)多変数保型形式の典型的な例であるジーゲル・モジュラー形式やヒルベルト・モジュラー形式にについて、そのmod pでの性質を解明する.
(2)Serreが定義したp進アイゼンシュタイン級数の概念を多変数の保型形式の場合に拡張し、その性質を調べる.
これに対して得られた成果は以下のとおりである.
(1)ここ数年の懸案であった「あるmod pでの性質をもつモジュラー形式の存在」の問題について解答を与えた.モジュラー形式で、そのフーリエ展開が定数項が1で、その他のフーリエ係数が全てpで割り切れるようなものの存在は、楕円モジュラー形式の場合、モジュラー形式のmod p理論において重要な役割を果たすことが知られ、その「存在」の多変数の場合への拡張は、懸案であった.この研究期間の成果は、この問題に解答を与えたことにある.これまではアイゼンシュタイン級数をもちいる方法が知られていたが、この方法では、素数pに条件がつき、完全な解答を与えられなかった.ドイツのBoecherer教授との共同研究により、theta級数を用いる方法を展開し、完全な解答を与えた.この成果を含む論文はMath.Annに掲載が決定した.
(2)Serreの意味でのp進アイゼンシュタイン級数の概念を、多変数保型形式の典型的な例であるエルミート・モジュラー形式の場合に拡張し、ある場合にジーナス・テータ級数と呼ばれる全く別のモジュラー形式と一致することを示した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] On mod p properties of Siegel modular forms.2007

    • 著者名/発表者名
      Siegfried Boecherer, Shoyu Nagaoka
    • 雑誌名

      Mathematische Annalen 338(to appear, Online publish 済)

      ページ: 421-433

  • [雑誌論文] On p-adic Hermitian Eisenstein series2006

    • 著者名/発表者名
      Shoyu Nagaoka
    • 雑誌名

      Proceedings of the American Mathematical Society 134巻9号

      ページ: 2533-2540

  • [雑誌論文] Note on p-adic Hermitian Eisenstein series2006

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Munemoto, Shoyu Nagaoka
    • 雑誌名

      Abhnadlungen aus dem Mathematischen Seminar der Univeresitaet Hamburg 76巻

      ページ: 247-260

  • [図書] 岩波 数学辞典(「ケーリー代数」の項を執筆)2007

    • 著者名/発表者名
      日本数学会編集
    • 総ページ数
      2000
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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