研究概要 |
本研究では、 (1)複素乗法群の作用を持つ,閉Riemann面の退化族の構造を調べた。 正規2次元特異点上の関数fを考えたとき、その特異点解消空間を含む退化族を構成し、そのファイバーリングを与える写像の制限がfとなるようなものの存在を、4年ほど前に都丸は示した。本研究では、複素乗法群の作用付きの状況で同様な事実を証明した。 (2)閉Riemann面上のnegative line bundleの零切断を潰してできる特異点が、Kodaira特異点、またはKulikov特異点となる条件を求めた。 この結果を用いて、KodairaではあるがKulikovでない特異点の具体例を与えた。 (3)有理3重点のPencil種数を求めた。 有理2重点のPencil種数を数年前に示したが、M.Artinの有理3重点の分類を用いてPencil種数を決定した。 上記の研究の内、(2),(3)の結果については、投稿中の論文「Pencil genus for normal surface singularities」に追加した。(1)については、第2回「トポロジー・代数幾何・玉原セミナー」で発表を行い、その成果について報告集に「代数曲線の${Bbb C}^*$-作用をもつ退化族と2次元擬斉次特異点」なる報告を行った(印刷中)。(1)に関しては、研究結果を論文へまとめる。 上記の研究の遂行の為に、関連図書を購入した。また、頻繁に東京(日本大学文理学部の特異点セミナー)、その他の研究会に出張をおこなった。
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